お知らせ

日頃よりヘイハチロウファームにご支援、ご協力下さっている方々へ。

 

上げ馬神事に関しての声明文を公表するに至るまで時間を要してしまい、皆様にはご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

上げ馬神事以降現在もヘイハチロウファームにご意見やお問い合わせが寄せられていますが、その中にはご意見の範囲を越えた誹謗中傷や当牧場の信用を傷つけるようなデマや憶測もあり、牧場の運営に支障が出ておりますので、この度ヘイハチロウファームの上げ馬神事に対する見解と関係性についてお伝えする運びとなりました。

 

・関与に対する認識の違い

以前、当牧場が上げ馬神事と無関係であるということをお伝えしました。しかしながら、その後発表された各所の文面やネット上で拡散された情報の影響で、上げ馬神事に参加し虐待したり、それに与する牧場だという印象を抱いた方もおられます。

当牧場の見解とSNS上から読み取れる内容には大きな認識の違いがありましたので、ご説明いたします。

当牧場は上げ馬神事が行われる多度町に所在しており、多度町内に住むスタッフもおります。町内は区に分割され、その中で多度祭に関わる7つの区の住民は、祭の運営や警備、消防団等、何らか形で祭への協力が必要であるというのが現状です。祭の地区の住民に該当するスタッフは、祭り全体の運営に携わる中で少しでも馬の負担や人馬の安全を確保できるよう地元の青年会らに当牧場とは関係なく個人的にアドバイスをしていたという事実はありました。それが「牧場として関与している」と認識されたことで、当牧場が上げ馬神事に関与したとされている経緯です。ヘイハチロウファームとして公式に講習会等を実施したといった事実はありません。

しかしながら、当牧場が無関係であるという結論のみを発表したことにより誤解が生じたのも事実であるため、その点に関しては重く受け止めています。

 

・当牧場における馬の所在や移動先について

基本的なことの確認ですが、馬はオーナーの所有物です。オーナーの許可がない限り、牧場に預託されている馬の所在、移動先等の情報を外部に公表することはありません。よって、預託馬と多度祭との関連についての問い合わせがあったとしても、当牧場の判断でお答えは致しかねます。

また、一部では「預託馬についての情報を当牧場が隠した。」という内容の批判を受けておりますが、もとより牧場側に預託馬等に関する公表の義務等がないことをご理解下さい。

 

・当牧場の所有馬について

当牧場が所有する馬を上げ馬神事に提供することは一切ありません。また、上げ馬神事に参加した馬に関して、当牧場が仲介しオーナーホースとしてその後の命を繋げるよう協力し、今現在も預託馬として繋養させて頂いているという実績もございます。

引退競走馬や引退乗馬に限らず、上げ馬神事に参加した馬のその後のキャリアについても地域の牧場だからこそ協力出来ることと考え、幸せな余生を送れるよう尽力をしてきました。

また過去に多度祭に馬を提供し、現在は解散されている平八郎クラブと、ヘイハチロウファームを混同されませんようご注意をお願いいたします。前身の平八郎ファームから養老牧場ヘイハチロウファームに移り変わる時期から経営者も代わり、経営方針も変更しておりますので、平八郎クラブと関連付けての批判や憶測での発言をお止めいただきたく思います。

 

・今後の上げ馬神事について

上記の通り、上げ馬神事の実施に当牧場が協力することはありませんし、まして今後の方針について当牧場に決定権は全くありません。神事全体に関する諸々の決定権は祭を実施する7地区の代表者を含む会議で決定する仕組みと聞いております。先日、県の指導が入り神事の方針を変更していくことが決定されました。

これまでは祭の運営に一住民として参加するスタッフが、馬の正しい取り扱いの指導や、馬の苦痛を減らすために使用馬具の改善、地域内で行われる不適切な行事の廃止等に尽カしてきましたが、それを実行してくれている地区はまだ一部に過ぎません。祭には数百という人間が馬に携わりますが、祭を行う7つの地区にも隔たりがあります。馬の取り扱いや理解度、使用する馬具等も地区によって様々です。これは神事全体の改善が加速しない大きな要因と考えているため、祭で馬を取り扱う人たちに共通の理解と馬に対する知識が必要となります。

今回の見直しをきっかけに、馬の取り扱いや理解に関して全地区が改善に向けて同じ方向を向かなければなりません。それは動物の命を重んじることです。馬がどういう生き物か理解し、軽い気持ちで虐待行為等がされてはいけないことを地域住民が理解すれば、自ずと多度祭の在り方は変化するはずです。多度祭には上げ馬神事の他にも流鏑馬や行列など、馬を尊重しつつ実施できる行事がいくつもあります。上げ馬神事が安全なものに形を変え、関わる人たちが馬を安全に取り扱い、使用する馬具や実施される現場が安全なものに改善されなければ当牧場は上げ馬神事の廃止に向けて動きます。

現状、何百年も上げ馬神事が続いている状況下では、当牧場が反対する動きだけでは祭は改善されず、むしろ反発を呼び、従来の絶壁が待ち構え、虐待行為が繰り返されます。最後にしわ寄せが行くのは我々が大切に思う、馬たちに他なりません。やはり馬を第一に考えれば地域にある牧場として、改善する意思のある人には寄り添い、祭を内側から変えるために協力することがベストだと考えています。今後も牧場が上げ馬神事に参加することはありませんが、安全な馬の取り扱い等に関してアドバイスを求められれば、牧場として指導することも検討しております。

そういった改善の動きがある中でヘイハチロウファームに関する度を越えた批判やデマが飛び交っている状況では、かえって祭の改善活動にも支障が出てしまいます。

地元住民の中にも動物の福祉を考え、祭の在り方を改善していこうと動いている人たちも居ることを理解していただき、当牧場への度を越えた批判やデマを流すこと、SNSでの誹謗中傷はお止めいただきたく思います。

 

・TCC様の発表した内容に関して

先日TCC様が当牧場について、説明した内容に「虚偽」があったという表現を含む文章を発表をされたことに関して、ヘイハチロウファームの信用、名誉のためにお伝えさせていただきます。
ヘイハチロウファームと上げ馬神事の関係性については上記の通りであります。

また、地元の牧場である私どもにあり、そうでない方はご存じならない、地域との兼ね合いや諸事情(預託馬の情報公開が出来ないこと等)がございます。

そういった状況下で発表する内容は非常にデリケートで、慎重になるべきですが「虚偽」と表現されたことにより、あたかも当牧場が神事に参加、さらには虐待を助長しているかのような印象を持たれた方も少なくないと思います。

また、そのタイミングでTCC様の預託馬移動の発表があったことで、預託馬についても虐待があったかのような不安を招く文章であったことを強く抗議します。

その後TCC様に来場いただき、預託馬が適切に管理されていることを確認いただきました。

実際にヘイハチロウファームに来場される方には場内を開放し、私どもが誇りを持って手掛ける馬たちを見学して頂けますよう透明化に努めておりました。TCC様の預託馬に触れられて確認されている方々が多数いらっしゃる中で、事実確認よりも先に、転厩の発表があったことを非常に残念に思います。

TCC様の預託馬に関して追加で発表がございましたので、併せてそちらもご一読下さい。

またこの件につきまして TCC様へのお問い合わせやご連絡はご遠慮下さい。

 

・いつもヘイハチロウファームの支援をしてくださる方々へ

一連の件でSNS上で当牧場を認知した一部の人たちから誹謗中傷や度を越えた批判がある中で、支援物資やメッセージ、温かいお言葉を下さった方々へこの場を借りて感謝を申し上げます。

実際に牧場に訪れていただいた方々には、私どもの馬や人に対する誠意が伝わっていたことを大変嬉しく思い、スタッフ一同感謝の気持ちでいっぱいです。

現在、誹謗中傷等がある状況下ですので、嫌がらせのために来場する人が出る可能性も否定できません。馬の安全やスタッフの精神状態等を考慮し、新規での見学等を当面の間中止させて頂きますことをお詫び申し上げます。

ヘイハチロウファームの活動に賛同していただく方々にはまた改めて支援をして頂ける機会を設けるよう準備いたしますので、今しばらくお待ち下さいませ。

 

・最後に

今回発表した内容について、ご意見やご質問をいただきましても当牧場は一切の対応をお断りいたします。

また、誹謗中傷、名誉棄損、営業妨害につながる書き込みやその他の行為につきましては法的手段も辞さない考えでおります事をあわせてお伝えさせていただきます。

 

 

引き続き、誠心誠意、馬たちの未来がより良いものになるようスタッフ一同努めて参ります。

今後ともヘイハチロウファームをよろしくお願いいたします。

 
2023年 6月 24日
養老牧場ヘイハチロウファーム 代表 伊藤 祥嗣